先日、サンポートホール高松の第1小ホールにてにてピアノリサイタルをオンライン配信してきました。
その時の環境設定と注意点を簡単にご紹介いたします。
Contents
システム構成
今回のシステム構成は下図のとおりです。ご参考にしてください。
使用した機材について
映像関係
今回は、3台のカメラ映像の切替による配信を行いました。
カメラの映像の切替には、Blackmagic DesignのATEM Mini Proを使用しています。
基本的には、HDMIパススルー(クリーン出力)対応のカメラさえあれば問題ございません。
HDMI出力できるデジタルカメラは、大きく2つに分けることができますが、1つはレンズに映っているものをそのまま出力する「スルー」タイプと、本体液晶画面に映っている映像を出力する「スレーブ(複製)」タイプがあります。
一眼レフカメラなどの液晶画面には、電池残量やISO感度などは映像を見る人には必要ない情報が表示されていますが、配信で使用する際は、これらの表示は必要ないため「スルータイプ」のクリーン出力対応のカメラを準備する必要があります。
HDMIケーブル
今回はホールでのオンライン配信ということで、バックヤードまで引き込むにはかなり長いHDMIケーブルが必要でした。
巷では大体10mが限度とも言われているのですが、HDMI規格として特に制限されている長さはないようです。
そこで今回準備したのは、DTechの光ファイバータイプのHDMIケーブル(30m)です。
光ファイバー特有のノイズの少ない安定した伝送で、長距離でも信号損失がなく安定して配信することができました。
ちなみに、Micro HDMIへの変換ケーブルも使用しましたが、まったく問題なく配信可能です。
音声関係
今回は、ホールでの生ライブと、オンライン配信のハイブリッドでの開催でした。
影アナとピアニストの音声は、会場からXLR端子ケーブル(キャノンコネクター)1本で受け取っています。あとは、オンライン配信用にピアノの音を集音するため、ピアノの中にマイクを入れています。
ケーブルとしては、2本あれば配信できましたので、今回は、YAMAHA AG-06のオーディオミキサーを使用しています。
外部電源が必要なく、USBケーブルをパソコンに接続するだけで使用できます。
配信パソコン
MacBook Air(M1チップ)を使用しています。
なお、バックアップとして、Windowsも準備していました。
配信ソフト
無料で使えるストリーミング配信・録画ソフトウェアOBSを使用しています。
OBS STUDIO配信プラットホームについて
動画の有料販売や、有料のライブ配信、有料のセミナーを開催する際にはYouTubeを利用することはできませんので注意が必要です。
動画の販売やオンラインでの有料のライブやセミナーを開催したいときには、YouTubeではなく以下のような有料配信が可能な動画配信プラットフォームを利用するしかありません。
vimeo
無料で動画の有料配信を行いたいのなら、おすすめなのがvimeoです。
vimeoには有料プランもありますが、他の動画配信プラットフォームと比較すると有料プランも月額700円からと格安で利用できます。
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動画の視聴時間などの分析機能も充実しています。
vimeoEnterprise Video Suite
有料動画の配信、社内向けのオンラインセミナーや会議での利用等なら、Enterprise Video Suiteがおすすめです。Enterprise Video Suiteは、世界70カ国以上の3,000社を超える企業で使われているクラウド型動画配信プラットフォームです。
セキュリティ機能がとても充実していて、世界中のどこにでも安定した動画配信やライブ配信を安全に届けることができます。
Enterprise Video Suiteトラブルに備えて
今回使用しようとしていたGoProですが、HDMI端子が原因で使用できなくなるというトラブルがありました。 そこで、急遽代用したのがiPhoneです。
Airmix Soloという無料アプリを使えば、iPhoneのカメラをHDMIへクリーン出力が可能です。
アプリ単体でもオンライン配信ができる優秀なアプリです。事前に設定した画像・テキスト・動画などを、切り替えて表示することが可能です。
Airmix Soloさいごに
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オンラインイベントの開催に関するご相談が増えております。
トータルライフデザインホーリーでは、今回のようなクラシック音楽のリサイタルやセミナー講義の動画配信など、多種多様なご要望に対応いたします。
高クオリティかつコストパフォーマンスに優れたサービスを提供できるよう、今後もイベント参加者・主催者双方に満足いただけるライブ配信の実現を目指してまいります。